http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081213-00000533-san-ent
12月13日14時8分配信産経新聞拡大写真窯元めぐりは路地を縫うように進む。手書きの看板があちこちに設置されていた(写真:産経新聞)大阪や神戸から気軽に出かけられる兵庫県三田、篠山両市を訪ねた。天然木で栽培されたシイタケと三田肉のバーベキューに舌鼓を打ち、「日本六古窯(ろっこよう)」のひとつに数えられる丹波焼の窯元を散策。里山風景に癒されながら伝統の職人芸に触れる…。すてきな日帰りの旅を満喫した。(林佳代子)新興住宅街が広がる三田市中心部から車で北に約20分。まずは腹ごしらえをしようと、シイタケ狩りやバーベキューが楽しめるレジャー施設「しい茸ランドかさや」に立ち寄った。場所は市境近くの山間部。空気が澄んで心地よい。到着するとすぐに栽培スタッフの西寅秀機さん(58)の案内で、シイタケ狩りを楽しんだ。ここのシイタケはすべて原木栽培でつくられる。地元の山林からクヌギやナラを切り出し、ドリルで小さな穴を空け、菌を植え付けてホダ木に育てる。ホダ木を水に漬けたりしながら、約1年がかりで育てられたシイタケは市販品よりも肉厚で大ぶりだ。隣接する食堂に行き、バーベキューで味わった。笠の部分に塩を少々振って数分焼く。口に入れると、ぷりぷりとした弾力のある歯応えと、ふわりと鼻に抜ける風味に驚いた。「原木栽培は重労働で環境に左右されやすいから敬遠されるけど、味は全然違うでしょ」西寅さんの問いかけに思わず頷(うなず)く。気づけば、地元の名産で高級牛肉の「三田肉」と一緒に、数えきれないくらいのシイタケを堪能した。◇空腹を満たしたところで、旅のメーンである丹波焼の故郷、篠山市今田町へ。再び北に10分ほど車を走らせると、山の斜面に無数の窯が点在する細長い集落が見えてきた。集落近くの県立兵庫陶芸美術館を訪ねた。ちょうど地元のガイドと窯元めぐりができる企画を実施しているという。すぐにガイドの小牧和子さん(60)とともに、約60軒の窯元がある集落を散策した。丹波焼は、平安時代末期に発祥したとされ、備前焼(岡山県備前市)や信楽焼(滋賀県信楽町)などと並び、中世から生産が続く「日本六古窯」のひとつ。しかし、芸術性の高い作品を生んだ備前焼などとは違い、茶碗(ちゃわん)やすり鉢など生活雑器を作り続けてきた。「丹波焼は他の産地とは違ってメジャーじゃないんですね。だから、逆に観光地化されていないのが魅力なんです」と小牧さん。確かに、集落には手作り看板で散策ルートが示される。派手な看板が並んだり、いかにも観光地という雰囲気はない。親しみやすく、どこかほのぼのとしている。目をひいたのは、山の斜面をはうようにトンネル状に築かれた、県の指定文化財「登り窯」。全長47メートルの炉内はいくつかの個室に仕切られ、高温状態を一定に長く保てるよう工夫されているという。ちなみに、丹波焼に使う土は耐火性が強いため、焼き上がりは3日とかからず、備前焼の2週間と比べて格段に短いそうだ。狭い路地を行き来する間、窯元の陶工たちが気軽に声をかけてくれた。陶工たちの多くは、展示室を併設した工房に住んでいる。工房を案内し、作業風景を見せてくれる陶工もおり、丹波焼の工程を間近で見ることもできた。◇散策後は土産に丹波焼を買おうと、すべての窯元の作品を集めた「立杭陶(すえ)の郷(さと)」にある窯元横町に向かった。窯元ごとに区切られたブースを見て回ったが、どれもこれも力作ばかり。目移りしながら1時間ほど迷い、白を基調とした一輪挿しや急須、湯飲みなどを大量に買い込んでしまった。最後に、再び県立兵庫陶芸美術館に行った。陶芸文化の伝承などを目的に平成17年にオープンした施設は、モダンな造りで内装も美しい。焼き物の模様に焦点を当てた企画展を見て、改めて匠の技を凝らした渋い色合いの焼き物に魅了された。同館企画課の和田成史さん(48)は「窯元との良好な関係があるからこそ面白い展示もできる。これからも地域に密着した美術館でいたいですね」と話してくれた。伝統が息づく町。わずか一日で心が癒された。
[引用元:Yahoo[エンタメ総合(産経新聞)]]
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